農業革命における“囲い込み(エンクロージャー)”とは?

農業革命と囲い込み

農業革命と囲い込みは、農村社会の変化という点で深く結びついている。 共同地の私有化が進み、小規模農民は土地を失い都市労働者へと転じたのである。 本ページでは、ヨーロッパの土地制度や農民生活、社会変動を理解する上で重要なこのテーマについて、より詳しく探っていこうと思う。

農業革命における“囲い込み(エンクロージャー)”とは?

農業革命の説明で出てくる囲い込み(エンクロージャー)の意味がよくわかりません。わかりやすく教えてください。

囲い込み(エンクロージャー)というのは、もともと共同で利用されていた土地を、生け垣・塀・土手・柵などで“囲い込んで”私有地にしてしまうことで、囲い込まれた土地は牧羊場や農場となり、地主による大農経営が行われます。


16世紀に第一次エンクロージャーが行われ、18世紀から19世紀にかけては、第一次よりはるかに大規模な第二次エンクロージャーが行われ、農業革命を促進しました。


囲い込み運動の結果、石垣(ダラム)や生垣で区切られた「囲い込み地」と呼ばれる方形の農地が出現した。


囲い込みの影響

囲い込みはイギリス農業の近代化(資本主義化)を推し進め、産業革命の原動力になった一方で、土地を失い失業した農民が工業労働者として都市になだれ込み、賃金労働者化する現象が起きています。


なお一般的にはイギリスで行われたものを指しますが、同様の現象は同時期ヨーロッパ各地で起こっていました。