大航海時代からヨーロッパ諸国による植民地の建設は始まっていましたが、その維持に膨大な支出が発生することから、「植民地不要論」も出てきていたほどでした。
しかし18世紀後半から19世紀末にかけて、蒸気機関の発明をはじめとした技術革新であらゆるものが機械化され、農業社会から工業社会への転換が起きたことで潮目が変わります。
工場製機械工業の発達で、自国で飽和してしまうほどの大量生産がなされるようになると、製品を売る市場と原料供給地として植民地の重要性が増加。
資本主義社会が膨張していくほどに、自国の発展のために植民地獲得を必要・正当と考える植民地主義(コロニアリズム)が再び台頭するようになったのです。
以来、産業革命で工業化を遂げたイギリス、ベルギー、フランス、ドイツ、イタリア、ロシアなどの列強諸国は、アフリカ・アジアなどを舞台に熾烈な植民地獲得競争を繰り広げるようになります。
この「帝国主義」とも言われる資本主義国間の覇権争いは、ヨーロッパの軍事的緊張を高め、20世紀の「二つの大戦」の原因にもなりました。
帝国主義の時代、「マダガスカル征伐」を喧伝するフランスのポスター(1895年)
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