イギリス（グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国）は中世から近代にかけて様々な政治的変遷を経験し、その歴史は、世界最古の議会制民主主義を誕生させるなど、ヨーロッパ、世界の政治史にも大きな影響を与えてきました。現在のイギリスの政治体制はその伝統と経験を反映しており、特にその立憲君主制と議会制度は、世界中の多くの国々に模倣されてきました。

 

 

 

 

憲法と国家元首

イギリスの憲法は、一つにまとめられた成文憲法ではなく、いくつもの法律、慣習、司法判断などにより形成されている無成文憲法です。国家元首は女王または王で、その地位は世襲により継承されます。しかし、元首の役割はほとんどが象徴的なもので、実質的な政治権力は議会と首相にあります。

 

行政

行政権は内閣によって行使されます。内閣の首班である首相は、議会下院の多数党または連立政権の指導者から女王により任命され、首相とその内閣は、日々の政策決定と行政運営を行います。

 

立法

立法権は二院制の議会にあります。議会は、選挙によって選ばれる庶民院と、世襲貴族や任命貴族、主教などで構成される貴族院から成り立っています。

 

政党

イギリスの政党システムは伝統的に二大政党制で、労働党と保守党が中心となっています。しかし、近年では自由民主党やスコットランド国民党など、その他の小規模な政党も影響力を持つようになってきました。

 

司法

司法権は独立した裁判所によって行使されます。イギリスの法律は、法律と判例法に基づいており、最高裁判所が最終的な判断を下します。

 

地方自治

イギリスはイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4つの地方（カントリー）に分かれており、それぞれに一定の自治権が認められています。

 

選挙制度

イギリスの選挙制度は、選挙区制を採用しています。有権者は各選挙区から1人の代表者を選出し、これにより、選挙結果は選挙区の多数派の意見が強く反映される傾向にあります。