ロムルスとは何をした人?〜古代ローマの建国者〜

カエニナ王アクロンの鎧をユピテルに捧げ、勲章「スポリア・オピーマ」を得るロムルス

 

ロムルスの基本情報

 

在位:紀元前753年 - 紀元前717年
誕生:前771年アルバ・ロンガ
死没:前717年ローマ
民族:ラテン人
実績:ローマ建国

 

ロムルス(前771年 - 前717年)は王政ローマ期の初代ローマ国王で、古代ローマを建国したとされる人物です。アルバ・ロンガ出身で、伝説ではローマ神話のアエネアスの末裔シルウィアと軍神マルスとの間に生まれるも、権力争いに巻き込まれ、双子の弟レムスとともにティベレ川岸に捨てられた後、雌の狼に拾われ、羊飼いとして成長したとされています。

 

やがて兄弟はともに王国を建てますが、領地を巡って対立し、定めた境界を破ったレムスを殺害。その後王国を自分の名にちなみローマと名付け、初代国王に即位したのです。その治世は30年以上にわたり、ローマを建国し豊かにした功績を認められる一方で、ザビニ人の女性を強奪してローマ人にめとらせた「サビニの女たちの略奪」という暴挙も有名です。

 

 

ロムルスは実在したのか

古代ローマの建国者で王政ローマ初代王とされるロムルスは、その実在がはっきりしない人物です。ローマを建国した人物がいたのは揺るがしようのない事実ですが、39年間もの長期にわたり在位したと伝えられるわりに、実在を示す証拠がないため、歴史学上ではあくまで伝説上の人物と位置付けられているのです。

 

「ローマ」という地名から、「ロムルス」という人物が創り出されたとする説が有力で、建国神話についても「建国にあたり兄弟間のいさかいがあった」など「あってもおかしくない」事実に、「雌狼に育てられた」とか「父親はローマ神話のマルス」など神話的要素が肉付けられていった結果成立した考えられています。

 

ローマの建国は伝説では紀元前753年とされますが、これも100年近く逆サバを読んでいるのではと考えられています。

 

ロムルスとレムスを育てた狼とは

 

ロムルスは建国神話によれば、軍神マルスとアルバ・ロンガ王の娘シルウィアの子として、双子の弟レムルスとともに生まれたとされています。そして2人はやがて王国の王位継承争いに巻き込まれ、テヴェレ川に捨てられるも、雌狼によって育てられた生き延びた・・・という伝説は非常に有名ですね。

 

実はこの狼は川に流された息子たちを不憫に思った軍神マルスが送り出した聖獣。狼は双子に母乳を与え、パラティヌスの丘で大切に育てたといいます。やがて双子は羊飼いに引き取られ、青年になった2人は故国に帰還し、母を殺したアムリウスを倒した後、弟との権力争いに買ったロムルスがローマを建国するのです。

 

そのため狼というのは、とりわけイタリアにおいてローマやシエナなどの都市やサッカーチームなど様々なシンボルになっていることが多いです。