ボッティチェッリによる『ヴィーナスの誕生』。美と愛の女神ヴィーナスが、西風の神ファウォーニウスにのって岸へと吹き寄せられている。
ローマ神話における「風の神」は、ウェンティが有名で、同一視されているギリシア神話のアネモイと同じく、風の神全般の総称です。
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ローマ神話における上位のウェンティは、4柱と言われ、いずれも神話の登場頻度が高く、多くの信仰を集める神です。
北風の神で、非常に強く、荒々しかったとされています。一般的には、ほら貝を持ち、突風にうねる外套を纏った老人の姿をしています。
湿気を運ぶとされている南風の神です。アフリカからローマを吹き渡っていく風、シロッコの化身とされています。
東風の神です。暖気と雨を運ぶとされ、さかさまになって壺から水をこぼしている姿で現されます。
西風の神です。植物と花々を支配しているとされ、春の訪れを告げる豊穣の神ともされています。
上記の4柱以外のウェンティは下位のウェンティとされ、邪悪な怪物のような存在とされてきました。しかし後世の記述者によって、上位と下位の区別は曖昧になり、人間の姿で現されるようになったと言われています。
ローマ神話における下位ウェンティには、北東風の神カエキウス、南東風の神スブソーラーヌス、北西風の神カウルスまたはコールス、南西風の神アフリクスなどがいます。
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