デンマーク音楽の特徴と歴史

デンマークは三方を海に囲まれた半島の国で、高級陶磁器ロイヤルコペンハーゲンや、童話作家アンデルセンの生まれた地として有名です。ここではデンマークの音楽史について簡単に紹介します。

 

 

古代〜中世

現在のデンマークの地域には長い歴史があり、紀元前3000年ごろには農業が始まっていたと考えられています。紀元前1500年ごろのものと思われる金管楽器が出土しており、どんな曲を演奏していたかはわかっていませんが、音楽の文化があったことがわかります。

 

楽器やキリスト教が伝わってくるにつれ、民謡や讃美歌などの宗教音楽も発展していきました。民謡は、独唱者が1フレーズ歌い、合唱で同じフレーズを繰り返す、という形式のものが多く、讃美歌はグレゴリオ聖歌が歌われていました。

 

ルネサンス〜20世紀

1448年、当時の国王により、世界最古のオーケストラであるデンマーク国立管弦楽団が設立されました。20世紀に入ってからは、デンマーク国王が指揮しての楽曲収録も行われたことがあります。

 

17世紀の作曲家ブクステフーデは、バッハにも強い感化を与えたオルガン楽曲の名手でした。また19世紀の作曲家クーラウやニールセンも、西洋音楽史のなかで大きな役割を果たした偉大な作曲家としてその名を残しています。

 

おすすめ楽曲

グレインジャー『デンマーク民謡組曲』

民謡や伝承曲の熱心な研究者だった、19世紀の音楽家グレインジャーが、7曲のデンマーク民謡をピアノまたはオーケストラ用に組曲にしたもの。

 

クーラウ『妖精の丘』

民話と史実を題材にハイベアが脚本を書き、クーラウが曲をつけた、デンマークの国民的戯曲。デンマーク含め北欧の民謡を素材としてあちこちに配してあり、バレエや合唱も織り込まれた名作。