カルタゴに塩をまかれたは嘘?現在への影響は?

ローマはカルタゴを滅ぼした後、不毛の地になるよう塩をまいたという話は本当ですか?その影響は現在も残っているのですか?

塩は古来より天然の除草剤として利用されていました。塩分は植物の天敵なので、塩をまかれた塩分濃度の高い地面に作物は育たないからです。農業は古今通じて人類共通の経済基盤なので、古代世界においては、征服した町に塩を撒く「塩土化」という行為は呪いの儀式として行われていました。

 

 

本題に入ると、ローマは第二次ポエニ戦争カルタゴに勝利し、すでに優位を確立したにも関わらず、それでもなお同国の存在を脅威を感じて、念を押すように第三次ポエニ戦争を起こし、滅ぼすに至りました。経緯を考えれば、二度と立ち直れないよう、跡地に塩を撒いていたとしてもおかしくありません。

 

しかしこの話はあくまで言い伝え。当時の文献に「カルタゴに塩が撒かれた」との記述は確認できず、どこまでが本当かはわかりません。というのもカルタゴは帝政期に町が再建され、農業地帯として繁栄を謳歌していますし、かつてカルタゴがあった現チュニジアでも農業は普通に行われています。

 

以上のことから、塩をまいた話自体が作り話の嘘の可能性もありますし、塩をまいた話は本当でも、その量も範囲も大した事がなかった、もしくは降雨により影響が解消された、などの可能性が考えられます。