古代ローマ貴族は食事を吐いては食べていた?

 

古代ローマの上流階級にとって「食べる」ことは至高の娯楽でした。貴族ローマ人の食事の時間は夕方から、長ければ深夜まで続いたといい、招待客同士の会話はもちろんのこと、音楽や詩の朗読、大道芸などを楽しみながら食事をしていました。ただしよく言われる「ローマ貴族はよりたくさん食べるために、食べては吐くを繰り返していた」が史実かどうかははっきりとしたことはわかっていません。

 

食べるために吐いていたかは微妙

もちろん中にはそういうことをする人もいたでしょうが、それが貴族の間で常態化していたかまでは、それを示す確かな証拠がありません。古代ローマの医学書に「健康法」として食べたものを吐き出すことを推奨する記述があるくらいです。

 

確かに贅沢な食生活を送っていたのは事実で、あまりにも食べる量が多いものだから、吐いてしまう人もそれは出たことでしょう。「食べるために吐いていた」という逸話は、それが誇張された俗説だとも考えられます。

 

この「健康法」は現代医学の観点からは明らかに間違いだと思われ、食後の嘔吐を癖にしてしまうと、普通に食事をしていても吐いてしまったり、食道裂傷を起こしたり、胃酸で歯が酷く傷んでしまうことがあるのでマネしないようにしましょう。