セルビアの政治の歴史は、古代の部族集団から現代の民主制への長い道のりを経て形成されてきました。様々な帝国や国家の影響を受けながら、セルビアはその固有の政治体制とアイデンティティを確立し、現在の国の形に至っています。

 

 

 

 

中世のセルビア

中世のセルビアは、数世紀にわたりビザンツ帝国（東ローマ帝国）の影響を強く受けつつも、独自の政治体制を発展させました。この時代のセルビアは、ステファン・ドゥシャン帝の下で一時的ながらバルカン半島を制覇しています。

 

オスマン帝国の支配

14世紀末からはオスマン帝国の支配を受けるようになり、その影響はセルビアの政治、文化、宗教に大きな影響を与えました。しかし、オスマン帝国の支配に反発する動きも根強く、19世紀初頭には独立運動が勃興しています。

 

オスマン帝国からの独立

19世紀初頭、ミロシュ・オブレノヴィッチとカラジョルジェヴィッチのリーダーシップのもとでセルビアはオスマン帝国からの独立を果たします。1878年のベルリン会議で国際的に認知されたセルビアの独立は、新たな国家形成の契機となりました。

 

ユーゴスラビアの成立と

第一次世界大戦後、セルビアはスロベニア、クロアチアとともに新たな国家ユーゴスラビア王国を形成しました。これは「南スラヴ人の統一」というセルビア長年の野心を達成するための一歩でもありました。

 

 

 

ユーゴスラビアの崩壊

しかしその野心は結局達成されることはありませんでした。1990年代初頭、民族間の緊張と政治的不安が高まり、ユーゴスラビアは内戦へと突入しました。このユーゴスラビア紛争は、セルビア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナの間で複雑に絡み合った紛争を引き起こし、ユーゴスラビアの分裂を決定付けたのです。

 

セルビア・モンテネグロの解体

2003年、残存していたセルビアとモンテネグロは連邦共和国を形成し、それぞれが独立した共和国となりました。しかし、2006年、モンテネグロが独立を宣言し、セルビア・モンテネグロ連邦は解体されました。これにより、セルビアは完全に独立した国家となりました。

 

現代のセルビア

現代のセルビアの政治は、20世紀のユーゴスラビアの崩壊と2000年代初頭の政治的な変革を経て形成されました。今日のセルビアは、複数政党制と民主主義が基礎となっています。