大航海時代、飲み水の確保はどうしてた?

 

大航海時代において、船乗りたちが飲用水として利用していたのは主にお酒でした。なぜ普通の水ではなくお酒だったのでしょうか。それにはかなり切迫した理由がありました。

 

 

航海中酒が飲み水になっていた理由

大航海時代、大洋を横断する上で、船乗り達の洋上生活は数か月におよびました。当時は今のように優れた冷蔵保存技術や消毒技術はなかったため、どれだけたくさん新鮮な水を積んでいたとしても、あっという間に腐敗し、水をためた樽には藻が生えて飲めなくなりました。

 

酒は腐りにくい

雨水も樽に貯めて飲用水にしたり、旅路の途中に寄港できる陸地があればそこで補給も行いましたが、それでも十分ではなかったため、飲み水の中心は腐りにくいお酒(ラム酒、ワインなど)を利用していたのです。

 

酒以外の飲用水確保の方法

雨水の利用

船乗りたちは雨水を貯めて飲用水として利用していました。船の甲板に大きな布やシートを張り、その上に降った雨水を樽やタンクに集める方法が一般的でした。しかし、雨は常に降るわけではなく、天候に大きく依存するため、安定した飲用水の供給とはなりませんでした。

 

寄港地での補給

長期間の航海中、船は補給のために寄港することがありました。島々や沿岸地域に寄港し、川や井戸から水を補給することで飲用水の確保を図りました。しかし、寄港地での水の質も必ずしも良いとは限らず、しばしば微生物や汚染物質が含まれていたため、健康リスクが伴いました。

 

酒がもたらす健康リスクと対策

お酒を飲用水として利用することには、いくつかの健康リスクも伴いました。アルコールは脱水を引き起こしやすく、大量に摂取すると健康に悪影響を及ぼします。また、船乗りたちは過度のアルコール摂取によって判断力や反射神経が鈍ることもありました。

 

薄めて飲む方法

健康リスクを軽減するために、アルコール飲料を水で薄めて飲むことが一般的でした。これにより、腐敗を防ぎつつアルコールの濃度を下げ、飲みやすくすることができました。特にラム酒やワインは薄めて飲まれることが多かったです。

 

他の健康維持法

壊血病などの栄養不足による病気を防ぐために、できるだけ新鮮な果物や野菜を補給する努力も行われました。寄港地で手に入る限りの食材を積み込み、船員の健康を維持しようとしたのです。

 

大航海時代における飲み水の確保は、船乗りたちにとって生死に関わる重要な問題でした。腐りにくいお酒の利用や雨水の貯留、寄港地での補給など、さまざまな工夫がなされましたが、それでも飲用水の確保には常に苦労が伴いました。現代のような水の保存技術がなかった時代、彼らの創意工夫は航海の成功を支える重要な要素でした。