スラヴ神話における「最高神」とは?

スラヴ神話における「最高神」とは、雷神ペルーンのことです。ここでは、ギリシア神話のゼウスや北欧神話のトールと同様、雷神の性質を持つペルーンについて解説していきます。

 

 

ペルーンの来歴

ペルーンは、スラヴ神話における最高神とされています。その名には「雷で打つ者」という意味があり、多くの雷神と同じように、髭をたくわえた中年男性の姿をしています。

 

稲妻を放ち、雷鳴を轟かせながら石臼に乗って空を飛びまわり、敵対者に向かっては炎の矢を放ち威嚇しますが、時に雨を降らせたり、雲を払うことで雪解けや温かな陽光をもたらすなど、豊穣神としての一面もありました。

 

神話ではたびたび、天空に住まうペルーンと、大地に座する冥界の神ヴォーロスの対立が描かれます。

 

その戦いに勝利をおさめたペルーンは、ヴォーロスから大地を解放し、作物の恵みである雨を降らせたとされています。

 

信仰の対象としてのペルーン

ペルーンへの信仰は、東スラヴの各地に存在していました。

 

キエフ大公はキエフの丘に神像を建造し、人々はこれらの神像に集って参拝していましたが、988年にヴラジーミル大公がキリスト教に改宗することを決めたため、像はドニエプル川に投棄されました。

 

支配階級が改宗したことでペルーン信仰は排斥されていきましたが、その後も農民など一般の人々は、強靱な農夫の象徴であるペルーンを崇め、その伝説を語り継いでいったと言われています。