ヘシオドスとは何をした人?〜初めて個性をテーマにしたギリシア詩人〜


ヘシオドスの基本情報

 

生年:前740年
没年:前670年頃
出身:小アジア・キュメ
死没地:ギリシャ・オルコメノス
主著:『神統記』『仕事と日々』
功績:ギリシア詩人として初めて「個性」をテーマにする。

 

ヘシオドス(前740年〜前670年頃)は古代ギリシアの詩人で、神々の歴史を讃えた『神統記』と怠惰を非難し労働の重要性を説いた『仕事と日々』の作者として知られます。小アジアのキュメ出身で、途中移り住んだボイアチアの寒村アスクラの牧場にて、父や弟とともに長くの時間を過ごしました。ヘシオドスは自分の日常や経験とそこから生まれる考え、つまり「個性」を詩のテーマにした最初のギリシア詩人といわれ、しばしば古代ギリシア二大詩人としてホメロスと並び称されますが、そもそも実在性が疑われるホメロスに対し、ヘシオドスは確かに存在した人物であるという違いがあります。

 

ヘシオドス『神統記』のあらすじ

カオス(混沌)を世界の始まりとして、ガイア(大地)、タルタロス(冥界)、エロス(愛)、エレボス(幽冥)と、ニュクス(夜)、 ヘーメラー(昼)、 アイテール(清明な大気)など原初の神々が誕生した。

 

さらにガイアによりウラノス(天空)とポントス(海)が生まれた。ガイアはウラノスを夫として、ティーターン十二神を生んだ。しかしウラノスは自らの子ティターン神族を恐れ、体内に押し込んでしまう。

 

怒ったガイアは子のクロノスを差し向けて、鎌でウラノスの男根を断ち切り、野に放たれた男根からは美の女神アフロディテが生まれた。

 

その後クロノスはティターン十二神の1人レアーとの間に5人の子供をつくる。そのうちの1人がゼウスであった。しかしクロノスは子に倒されることを恐れ、ゼウス以外の子供を飲み込んでしまった。ゼウスは隠遁生活を送りながら成長し、クロノスを倒して兄弟を救い出した。