ロシアの野菜スープ
ロシア料理は、はるか昔の農民料理にルーツを持つといわれており、その歴史は非常に古いです。ソ連時代には、伝統的な農民料理や、帝政以降発展した宮廷料理などの食文化の衰退が起こりましたが、ソ連崩壊後、伝統を重んじる本来の国民性により、見事復興を遂げています。
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ロシアの厳しい気候風土で暮らす農民たちは、夏の間に多くの保存食を仕込んでおき、冬になるとそれを食べました。とりわけ保存食を使って作ったシチューは、素朴な味わいの中に、素材の滋味が凝縮されており、現代においても愛され続ける一品となっています。
ロシアは16世紀以降、急速に中欧集権化を進めると共に、領土を広げていきました。すると征服地の様々な料理や調理技術がロシアにもたらされると共に、それらが権力の中心・宮廷で振る舞われる宮廷料理という文化が生じます。
そしてロシア帝国全盛といえるエカチェリーナ2世(在位1762〜1796年)の時代、フランスの宮廷料理人を招き入れたことがきっかけで、ロシア宮廷料理も劇的な進化を遂げることとなったのです。
ロシアにフランス料理がもたらされると、ロシアは寒冷地なので、料理が冷めてしまわないよう、前菜からはじまり、スープ、メイン料理、デザートと順番に出すスタイルが定着するようになります。実はこれがフランスに逆輸入され、現フランス料理の提供スタイルであるコース料理の起源となったのです。
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