第一次世界大戦は、その規模と影響範囲から「大戦」と呼ばれるだけあり、全世界に深く刻まれた出来事です。その戦争が終結し、平和がもたらされたのは講和条約によるものでした。その最も重要なものが「ヴェルサイユ条約」で、主にドイツに対する処罰と戦後の秩序の設定を内容としています。しかし、その他にも各国間で数多くの講和条約が結ばれました。ここでは、第一次世界大戦の講和条約について詳しく見ていきましょう。

 

 

 

ヴェルサイユ条約

1919年に調印されたヴェルサイユ条約は、第一次世界大戦の終結と戦後秩序を定めたもので、その内容はドイツに対する厳しいものでした。戦争責任を全うにドイツに帰したこの条約では、領土の喪失、軍備制限、賠償金の支払いなどをドイツに課しました。

 

トリアノン条約とセーヴル条約

同じく1919年に調印されたトリアノン条約は、オーストリア＝ハンガリー帝国の後継国家であるハンガリーに対するもので、領土の大幅な削減と少数民族の保護を内容としています。一方、1920年に調印されたセーヴル条約は、オスマン帝国に対するもので、その領土を大幅に削減し、多くの地域を連合国の管理下に置くというものでした。

 

その他の条約

これら以外にも、各地で講和条約が結ばれました。ヌーヴィー条約、サン＝ジェルマン条約、ローザンヌ条約などがあり、各国の間で戦後の領土や権利の調整が行われました。