マルタ語の起源と歴史

マルタの国土

 

言語は、その地域の歴史や文化を映し出す鏡のような存在です。

 

特に、マルタ語は多様な影響を受けながら発展してきた非常に興味深い言語といえ、ここではそんなマルタ語の起源とその歴史について詳しく見ていきましょう。

 

 

マルタ語の起源

マルタ語は、地中海の小さな島国マルタ共和国で話されている言語で、セム語派に属します。

 

その起源は、9世紀にマルタ島を支配したアラブ人にさかのぼり、アラブ人がマルタ島にもたらしたアラビア語がマルタ語の基礎となりました。

 

そしていまやマルタ語は「アラビア語の方言」というよりは、長い年月をかけて独自の発展を遂げた、独立した言語といえる存在となりました。

 

マルタ語の歴史的発展

マルタ語は、地中海地域の政治的、社会的変動の影響を強く受けてきました。まず13世紀から16世紀にはキリスト教徒の支配下で、イタリア語やシチリア語からの強い影響を受けました。

 

さらに、19世紀から20世紀初頭の英国統治期間には、英語からの影響も受けました。こういった複数の影響が、現在のマルタ語の語彙や文法に深く反映されているのです。

 

現代のマルタ語

現代のマルタ語は、多様な言語の影響を統合し、独自の特色を持つ言語となっています。アラビア語の構造と、イタリア語や英語からの語彙が融合し、ユニークな言語を形成しているのです。

 

また、マルタは1975年にマルタ語を国語として制定し、2004年には欧州連合(EU)の公用語となるなど、独立した言語としての地位を立派に確立しているといえます。

 

マルタ語は、その起源から現在まで、様々な言語と文化の影響を受けて発展してきました。アラブのセム語派の言語から始まり、イタリア語や英語からの影響を経て、今のマルタ語があるのです。

 

その結果、今日マルタ語は、ヨーロッパ屈指に独自性の強い言語となり、マルタ人の大切なアイデンティティとなっています。

 

言語学の視点から見ると、マルタ語はその融合的な性格と進化の過程が非常に興味深い例となっており、これからもその発展に注目が集まりそうですね。