大空位時代は、中世ヨーロッパの歴史上、特に聖ローマ帝国の歴史において重要な時期で、皇帝の地位が一定の期間空位となり、帝国内での政治的混乱や権力闘争が発生した時期を指します。

 

 

大空位時代の背景

大空位時代は、聖ローマ帝国の歴史における特異な時期で、この時期の最も重要な特徴は、皇帝位が空位であったことです。これは1250年のフリードリヒ2世の死後から1273年までの間に発生しました。フリードリヒ2世の死により、スタウフェン朝が断絶し、その後継者を巡る混乱が帝国全体に広がりました。

 

大空位時代の原因

フリードリヒ2世の死後、帝国は次の皇帝を選ぶために有力な候補者を探しましたが、適任者が見つからなかったため、皇帝位が空位となりました。この期間中、帝国の統治機構は弱体化し、地方の封建領主が自立を強め、内部での権力闘争が激化しました。

 

大空位時代の影響

この時期は、帝国の統治機構が弱体化し、地方の封建領主が自立を強め、内部での権力闘争が激化しました。また、これにより帝国の統一性が大きく損なわれ、帝国内の領邦間での紛争が多発しました。結果として、大空位時代は聖ローマ帝国の統一性と権威の低下をもたらす重要な要因となりました。

 

大空位時代の終結

大空位時代は1273年、ハプスブルク家のルドルフ1世が皇帝に選出されることで終結しました。ルドルフ1世の選出により、帝国内の統治機構が再編成され、再び中央集権化が図られるようになりました。この選出により、聖ローマ帝国は一時的に安定を取り戻し、地方領主たちの自立を抑えることができました。