ここでは中世から近代にかけての激動を経て、民主的な共和制国家として成熟を遂げたポーランドの政治体制について解説していきます。

 

 

 

 

憲法

ポーランドの現行憲法は1997年に施行されました。これは、ソ連支配からの脱却を経て、社会主義体制から民主化への移行を確定するもので、三権分立や基本的人権の保障など、現代的な民主主義の原則を採用しています。

 

国家元首

国家元首は大統領で、直接選挙により選ばれます。任期は5年で、再選は一度だけ可能です。大統領は国防や外交政策において大きな役割を果たし、また法案への署名や拒否権を持つなど、立法過程にも一定の影響力を持っています。

 

行政

行政権は首相を中心とする内閣が担当します。首相は大統領により指名され、議会の信任を得ることで正式に任命されます。また内閣は立法府と協働しながら政策の立案と実行を行います。

 

立法

立法権は二院制の議会、すなわち下院（セイム）と上院（セナト）にあります。議員は全国の有権者による直接選挙で選ばれ、その任期は下院が4年、上院が6年です。

 

政党

ポーランドでは複数の政党が存在し、政党間の連携や協力が重要な役割を果たしています。現在、保守派の「法と正義」と、中道左派の「市民プラットフォーム」が二大政党の地位を確立しています。

 

 

 

司法

司法は独立しており、最高裁判所が最終的な判決を下します。法律の解釈と適用は司法の役割であり、立法や行政から独立しています。

 

地方自治

ポーランドでは地方自治が高度に尊重されており、県と市町村の二段階に分けられた地方自治体が存在します。それぞれの地方自治体は、地元住民による直接選挙で選ばれた代表者によって運営されています。

 

選挙制度

選挙は普通選挙で行われ、18歳以上の全ての市民に選挙権が保障されています。選挙は秘密投票により行われ、公正かつ自由に行われることが法律で保障されています。