トルコが欧州連合(EU)に加盟できない理由とは?

トルコはずっと欧州連合(EU)への加盟を求めていますが、なかなか加盟を認められないのはなぜですか?

トルコは国土の72%がアジアに属しており、地理的にヨーロッパの国といえるか微妙なところがありますが、これは根本的な理由ではありません。ヘルシンキ宣言への署名、北大西洋条約機構(NATO)への加盟と政治的には明らかにヨーロッパ寄りなのにも関わらず、EUに入れてもらえないのにはいくつか理由があります。

 

トルコのEU加盟を阻む要素

 
  • キリスト教主流のEUにイスラム教国のトルコが加盟することに抵抗がある
  • 少数民族のクルド人への弾圧など人権問題が存在
  • キプロスやギリシャなど領土問題でトルコと不仲な国が嫌がっている。
  • 貧富の格差の激しいトルコの加盟で、トルコ系移民の流入に歯止めが効かなくなることを恐れている。
  • 欧州議会は加盟国の人口に応じて議席数が割り当てられるので、トルコが加盟すれば議席数でドイツを抜いて最大になってしまう
  • オスマン帝国時代に侵略を受けたことへの恨み

 

上記のような理由から、1987年以降、いくらトルコの加盟申請を受けても、EUは冷淡な対応に終始しているのです。

 

 

なのでトルコも近年は諦めムードとなり、エルドアン大統領になってからはそこまでEU加盟にこだわらなくなっています。権威主義体制を強化したり、中国との関係を密にするなど、むしろEU加盟を遠ざけるような行動が目立ちます。