教皇領はどこにあった国?

教皇領ってどこにあった国なんですか?


ローマ教皇が主権者として支配していた教皇領は、古代ローマ時代に「聖ペテロの遺産」とされたローマに起源を持ち、756年にフランク王ピピン(左図人物)がイタリアのラベンナ地方を教皇に寄進した「ピピンの寄進」により成立しました。その後も権力者による寄進で領土拡大を続け、13世紀末までに中部イタリアの大部分を支配するようになりました。


教皇領の縮小

十字軍遠征の失敗や絶対王政の台頭にともない教皇権は衰退していき、領土も縮小していきます。そして19世紀半ばにサルデーニャ王国主導でイタリア統一運動が開始され、その結果として教皇領の大部分は1861年成立のイタリア王国の一部となりました。

 

70年にはローマも併合されたことで、残すはバチカン一帯だけとなり、1929年にファシズム政権と結んだラテラノ条約で、残ったわずかな領域を国土とするバチカン市国が成立し、現在に至っているのです。