大航海時代とは、15世紀半ばから17世紀初頭にかけ、ヨーロッパ諸国により全世界的な航海・探検が行われた時代です。バスコ・ダ・ガマのインド航路の発見、コロンブスのアメリカ大陸発見などを皮切りに、それまで地中海を舞台に行われていた海上貿易が、大西洋・インド洋・太平洋と地球規模でに拡大。いわゆる「地球の一体化」が起こり、世界各地が相互に影響を与えあう世界史が本格的に動き出すようになるのです。
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大航海時代開幕にともなう、ヨーロッパ主導の「地球の一体化」の影響は日本にもおよびました。ヨーロッパ人によりキリスト教や鉄砲、世界地図がもたらされた他、今まで島国という閉鎖された環境で生きてきた日本人が、海の向こうには人が住んでおり「地球は丸い」という、今でこそ当たり前の知識を得るようになりました。
ポルトガル・スペインが全盛期を迎えているとき、日本は両国との貿易(南蛮貿易)を積極的に行い、その中で様々なヨーロッパの物や文化・考え方が持ち込まれたのです。
大航海時代は日本における初めての「他者との遭遇」の時代であったともいえます。
15世紀半ばから17世紀初頭まで続いた大航海時代、日本は戦国時代(1467年〜1590年)、安土桃山時代(1573年〜1603年)、江戸時代(1603年〜)などを経験しています。南蛮貿易が行われた時期は戦国時代(1467年〜1590年)と重なり、貿易でもたらされるようになった鉄砲・火薬は日本の戦争のあり方を大きく変えました。
戦国時代は、日本各地の大名たちが権力を争った激動の時代です。1543年にポルトガル人が鉄砲を伝来させ、その後の戦争で使用されるようになりました。鉄砲の導入は戦術に大きな変化をもたらし、戦国時代の戦闘スタイルを革新しました。また、南蛮貿易を通じて日本に持ち込まれた新しい技術や文化は、戦国大名たちの間で競って採用されました。
安土桃山時代は、織田信長や豊臣秀吉による天下統一が進められた時代です。この時期、日本は南蛮貿易を積極的に行い、鉄砲や火薬だけでなく、キリスト教も広まりました。フランシスコ・ザビエルを始めとする宣教師たちは日本に布教し、多くの大名や庶民がキリスト教に改宗しました。また、ヨーロッパとの交流により、日本の文化や芸術にも西洋の影響が見られるようになりました。
1603年に徳川家康が江戸幕府を開き、江戸時代が始まります。江戸時代初期には南蛮貿易が続けられましたが、やがて幕府は鎖国政策を採用し、外国との交流を制限しました。しかし、オランダとの貿易は長崎の出島で続けられ、西洋の科学技術や学問は細々と伝えられていきました。鎖国中でも、ヨーロッパとの接触は完全には途絶えず、その影響は続きました。
南蛮貿易を通じて日本に伝わった鉄砲や火薬は、戦国時代の戦闘技術に大きな影響を与えました。また、キリスト教の布教活動は日本の宗教観に新たな視点をもたらし、一部の大名や庶民がキリスト教に改宗しました。さらに、ヨーロッパとの貿易を通じて、日本は新しい技術や文化を取り入れ、社会や経済の発展に寄与しました。
大航海時代は日本にとって初めての「他者との遭遇」の時代であり、ヨーロッパとの交流を通じて多くの技術や文化がもたらされました。この時代の交流は、日本の戦争技術や宗教観、文化に大きな影響を与え、その後の日本の発展に寄与しました。
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