十字軍の遠征の目的は一言でいえば「聖地エルサレムの奪還」です。そしてエルサレムとは、キリスト教の創始者イエス・キリストが復活を遂げた場所で、イエス・キリストの墓がある、キリスト教にとって、この上なく大切な土地でした。
キリスト教の聖地、エルサレムのモスク
そんなエルサレムが、7世紀以降、イスラム勢力に占領され、11世紀には勢力を拡大したセルジューク朝が、東ローマ帝国を圧迫するようになります。堪らず東ローマ皇帝アレクシオス1世は、ローマ教皇ウルバヌス2世に救援を求め、応じた教皇が
「聖地エルサレムを奪還する」
という大義名分で、西ヨーロッパの諸侯や民衆の有志を集め十字軍を結成したのです。
当時ローマ教皇は東ローマ皇帝と敵対関係にありましたが、教皇としては皇帝に恩を売って、分裂した教会を統一する思惑もありました。
しかし教皇が自らの権威を高めるために始めた十字軍遠征ですが、第一回遠征以外は失敗続きとなり、逆に教皇権の失墜を招く要因になりました。
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