フランス革命期(1789〜99年)の日本は江戸時代でした。この時代の日本は鎖国体制ではありましたが、唯一オランダとは長崎の出島で貿易をしていたので、海外との繋がりが全く絶たれていたわけではありませんでした。
フランス革命があったことも、幕府がオランダ商館長に出させていたオランダ(和蘭)風説書で把握しており、
「フランス国王臣下の者ども徒党つかまつり、乱暴狼藉におよび申し候」
と1794年の風説書に記録されています。
ただこの情報を知ったのは幕府の一握りの偉い人だけで、一般の人々が知るのはもっと後・・・明治時代に入り文明開化でヨーロッパ文化が一挙に流れこんでくるようになってからのことです。
例えばフランス革命に影響を与えた啓蒙思想家ルソーの著書『社会契約論』が、中江兆民により『民約訳解』というタイトルで翻訳・出版されたのは1882年になります。
この頃からフランス革命のこと、その根底の理念を多くの日本人が知るようになり、とくに革命の原動力となった
「天賦人権思想(=人間は生まれながらにして皆平等で、その権利は国家によって与えられたり、奪われたりするものではない)」
という考え方は、日本の自由民権運動にも多大な影響を与えているのです。
日本の自由民権運動の指導者・板垣退助
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