ヨーゼフ2世とは何をした人?〜農民保護政策〜

ヨーゼフ2世

 

ヨーゼフ2世の基本情報

 

渾名:「民衆王」「皇帝革命家」「人民皇帝」
誕生:1741年ウィーン
死没:1790年ウィーン
在位:1765年 - 1790年
王朝:ハプスブルク=ロートリンゲン朝
政策:信仰の自由の拡大、農民保護政策、貴族特権廃止

 

ヨーゼフ2世は18世紀後半の神聖ローマ皇帝で、典型的な啓蒙専制君主として知られる人物です。その治世は母マリア・テレジアとの共同統治から始まり、啓蒙主義を嫌っていた母の死後、信仰の自由の拡大、農民保護政策、貴族特権廃止など啓蒙主義的近代化改革を推し進めました。

 

しかしドイツ語強制など全体主義的な政策も推進し、啓蒙的にみえた改革も結局は帝権強化に連なる「上からの改革」であったため、死後彼が行った改革の多くは形骸化してしまっています。

 

ヨーゼフ2世の農奴解放令

ヨーゼフ2世は啓蒙専制君主として、農奴解放令による近代化改革を行ったことで知られています。1781年農奴解放令で農民の人格的自由が認められたことにより、農民には移動や職業選択の自由が与えられたのです。

 

1789年のフランス革命に先駆けた社会改革であるといえますが、神聖ローマ帝国のそれは「上からの改革」であるという点が決定的に異なります。

 

また農奴解放令をはじめとした数々の内政改革は「ヨーゼフ主義」とも呼ばれ、封建的な領主・農奴関係解消で、ハプスブルク帝国の近代化を推し進める意図がありましたが、特権を奪われることとなる貴族の反発により、最終的には失敗に終わっています。