イタリアの移民政策をわかりやすく解説

イタリアの移民政策

イタリアの移民政策は、地中海を通じた不法移民流入が中心課題となっている。救助と受け入れをめぐる国際的調整が求められ、国内政治でも大きな争点となっている。本ページでは、イタリアの移民政策や地理的背景、社会的意義などを理解する上で重要なこのテーマについて、より詳しく探っていこうと思う。

イタリアの移民政策をわかりやすく解説

地中海の中央に大きく突き出るイタリアは、その地理的特徴により古くから民族の流入がさかんに行われてきました。2016年時点の外国人人口は500万人を超えており、これはイタリアの総人口の1割に相当します。移民2世や3世も含めると、外国ルーツの者は当たり前のようにイタリアの街中に溢れているのです。


またイタリアは南北格差が社会問題になっており、職を求めて南部から北部に移住する「国内移民」も珍しくありません。


移民受け入れの問題

他の移民受け入れを推し進める欧州諸国同様、移民増加にともなう自国民の雇用状況悪化や社会的混乱に反対し、移民受け入れに反対する世論は年々増加しています。


アフリカから海を渡ってイタリアに逃れてくる不法移民は絶えませんが、移民を乗せた船が沈没する事件も頻繁に起こっています。これを受けイタリア海軍や有志のNGOは救助活動に尽力していますが、上述した理由で救助活動にすら反感を抱く人々が少なくないのです。