東ゴート王国成立からランゴバルド王国成立までの流れを理解することで、中世ヨーロッパの政治的な変動とゲルマン諸族の役割を明らかにし、現代のヨーロッパに至るまでの歴史的背景を理解するための一助になります。この時期の出来事は、特に東ローマ帝国とゲルマン諸族との間での力の均衡とその変動に関連しており、それらが後のヨーロッパの文化的、政治的な展開に影響を与えました。

 

 

東ゴート王国の成立

5世紀末、東ローマ帝国の力が衰えつつあり、その隙間を埋める形で多くのゲルマン諸族が力を増していきました。その中でも注目すべきは、東ゴート族であり、東ゴート王テオドリックにより497年に建国された東ゴート王国がイタリアの覇権を握るようになります。

 

東ゴート王国は、一時はイタリア半島を含む広大な領域を支配下に置きました。しかし、その後の東ローマ帝国の反撃により、領土は次第に失われ、最終的には553年に滅ぼされました。

 

ランゴバルド王国の成立

東ゴート王国の滅亡後、同じくゲルマン諸族の一つであるランゴバルド族が台頭しました。彼らは東ローマ帝国がササン朝ペルシアとの抗争に明け暮れている隙をつき北イタリアに侵攻、568年にランゴバルド王国を建設したのです。これは中世ヨーロッパの新たなパワーバランスの形成を示す出来事となりました。