
アイオリス人は母なるギリシアを離れ、風の土地に新たな歌を根づかせた。彼らの言葉には、追憶と希望がひとつに編まれていた。
─ 古典文献学者・ギルバート・マレー(1866 - 1957)
アイオリス人は、ドーリア人、イオニア人に並び、古代ギリシアを構成した主要民族の1つで、ドーリス人がギリシア本土に侵入するはるか以前、前3000年頃から、ドナウ川流域よりテッサリアおよびボイオティア地方に移住したと考えられています。そして前2000年以降は、テッサリアおよびボイオティア地方から、レスボス島やテネドス島に移住しテーバイやレスボスなどの有力ポリスを建設しています。なお「アイオリス」という呼称はこの民族の祖先とされるギリシア神話のアイオロスに由来するものです。
アイオリス人が植民したアナトリア半島西部地域
アイオリス人は「叙事詩の父」といわれるほど叙事詩の発展に寄与したことで知られ、ギリシア女性詩人サッポー(アイオリス方言では「プサッポー」とも)もレスボス島出身のアイオリス人です。
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