ポルトガル文学の特徴や有名な作品

ポルトガル文学は、ポルトガル語により書かれた文学作品の総称で、南フランスの地中海沿岸地域プロバンスに起源をもちます。スペイン語とポルトガル語は非常に近く、スペイン文学の近縁ともいえますが、スペインとはまた異なる歴史・文化的背景により、独自の発展を遂げてきたのがポルトガル文学といえます。

 

 

ポルトガル文学の簡易年表

12世紀

最古のポルトガル文学とされるタベイロースの叙情的恋愛詩や、『遺産分配の書』が登場する。

 

16世紀

イタリアルネサンスの影響が波及し、ポルトガル植民地拡大にともなう海外からの富の流入もあいまってポルトガル文学は黄金期を迎えた。「地理上の発見」の時代らしく、探検記や旅行記などの作品が目立つ。

 

17世紀

イギリスオランダの台頭にともなうポルトガル没落に引っ張られるように、ポルトガル文学も衰退をみた。

 

19世紀

ロマン主義が盛り上がり、ガレット、エルクラーノ、カスティーリョ、カステロ・ブランコ、ディニースが登場した。世紀後半は写実主義が隆盛し、ケイロースやブラーガなどの詩人が活躍した。

 

ポルトガル文学の有名作品一覧

  • 『遺産分配の書』(1192)
  • B・リベイロ『牧歌』(1554)
  • カモンイス『ウス・ルジーアダス』(1572)
  • A・リベイロ『サンティアゴの道』(1922)『悪魔の地』(1919)
  • アントニオ・ローボ・アントゥーネス『ユダの尻』(1979)
  • アルメイダ・ファリーア『ルジタニア』(1980)
  • ナモーラ『悲しき河』(1982)
  • ジョゼー・サラマーゴ『修道院回想録―バルタザルとブリムンダ』(1982)