古代ギリシアの有力都市国家BEST5

 

古代ギリシアを古代ギリシアたらしめる特徴としてポリス(都市国家)と呼ばれる、前10〜前8世紀頃に成立し、前5世紀に最盛期に達した特有の国家体制が挙げられるでしょう。ポリスは国防を担う「市民」による自由と自治を理想とし、神事や軍事の中心アクロポリスと、政治や文化の中心アゴラを備えていました。

 

ポリスの数はギリシア本土では150、海外植民地も含めれば1000を超えており、ポリス同士は常にギリシアの覇権を巡り抗争を繰り返していました。ここではその中でも特に有力で、ギリシア社会の牽引役であったポリスを紹介します。

 

アテナイ

軍事・経済・文化の面で、常に古代ギリシアのけん引役であったポリスです。イオニア人により建設された、現在アテネの名で呼ばれる都市です。パルテノン神殿など「古代ギリシア」と聞いて私たちがイメージするたいていのものはアテナイのものです。都市名はギリシア神話の女神アテナに由来しています。

 

スパルタ

ドーリス人により建設された都市国家で、ペロポネソス半島南東部に位置していました。市民、半自由民(ペリオイコイ)、奴隷(ヘイロータイ)の三身分で構成され、その厳しい軍国教育はスパルタ教育の由来にもなっています。アテナイとはライバル関係にあり、ギリシアの覇権を巡り争いました。

 

テーバイ

中央ギリシャ・ボイオティア地方に位置した都市国家です。「神聖隊」と呼ばれる「ギリシア最強」と謳われる精鋭歩兵部隊を有していた国家で、前4世紀にはスパルタに代わりギリシアの覇権を握っています。

 

コリントス

ギリシア南部・ペロポネソス半島北東に位置した都市国家です。アテナイやテーバイと組んでスパルタと戦ったコリントス戦争、マケドニアと全ギリシアポリス(スパルタ除く)で結成した同盟コリントス同盟で知られます。地理的に東西海上交通の要衝にあたるため、商業都市として繁栄していました。

 

デルポイ

中部ギリシア・フォキス地方に位置した都市国家です。世界の中心にあたるとされたギリシアで最も重要な神託所で、アポロン神殿南西隅にはオンファロス(へそ)と呼ばれる石が置かれていました。ギリシア神話の神アポロン信仰の中心地として、ギリシア人の信仰を一手に集めていました。