神聖ローマ帝国というのは、大小様々なドイツ諸侯から構成される連邦国家のようなものでした。
諸侯の皇帝への忠誠により成り立つ国家だったので、皇帝権が低下するにともない、神聖ローマ帝国という単一国家としてのまとまりは弱くなっていきました。
三十年戦争の講和条約ウェストファリア条約(1648年)により、各領邦が独立主権国家となったことで、神聖ローマ帝国はほぼ形骸化していましたが、かろうじて名前だけは残っていました。
しかし1803年、ナポレオン戦争が勃発すると、ナポレオンはドイツ(神聖ローマ帝国)を支配下に置くべく、ナポレオンを盟主とするドイツ諸侯の連合体ライン同盟が結成します。
神聖ローマ帝国を構成していたドイツ諸侯のほとんどがこの同盟に加わっため、神聖ローマ帝国は空中分解し、今度こそ名実ともに完全消滅してしまったのです。最後の皇帝フランツ2世も退位したことで、神聖ローマ帝国は10世紀来の歴史に幕を閉じました。
緑色の領域:滅亡直前の神聖ローマ帝国領
青色の領域:ライン同盟
|
|
|
|