ギリシャにはレスボス島などに移民・難民受け入れ施設が存在しており、移民からの送金はギリシャにおける重要な収入源になっています。また中東からトルコ経由で移民や難民が流入しており、これに対してギリシャ当局はトルコとの国境沿いに長さ40kmにも及ぶ壁を建設することで、不法移民の対策を行っています。
ギリシャは移民排出国でもあり、19世紀末から20世紀にかけて、何百万というギリシャ人がアメリカやオーストラリア、カナダなどに移住しています。「ギリシャ経済の奇跡」ともいわれる20世紀後半の好景気で一時国外移住は停滞しましたが、2010年ギリシャ危機を受けて、再び移住者は増加に転じています
移民がギリシャ人の職を奪う、社会秩序を乱す、などの理由でギリシャ国内における移民受け入れへの不満は高まっています。とりわけギリシャ危機以来、移民に対する風当たりはいっそう強くなり、日常的な差別や嫌がらせはもちろん、民族主義グループによる外国人襲撃事件も珍しくありません。
ギリシャ当局もトルコを経て流入してきた移民に強硬な態度でのぞみ、機動隊と移民の衝突が常態化しています。トルコへの押し戻しの際に、殴る蹴るなど機動隊による暴力が横行していることは、国際的な批判にもさらされています。
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