歴史上の「農業革命」と称されるものには、主に二つの大きな時期があります。ひとつは紀元前10000年頃に始まった「新石器時代の農業革命」、もうひとつは18世紀から19世紀にかけての産業革命と並行して起こった「第二次農業革命」です。ここでは、それぞれの農業革命について簡単に解説します。

 

 

新石器時代の農業革命

新石器時代の農業革命は、人類が狩猟採集から農耕へと生活形態を変えた時期を指します。これは植物の栽培と動物の飼育を始めたことにより、人類は初めて定住生活を送ることが可能になりました。食糧生産の効率が大幅に向上したことで人口が増加し、文明の発展の基礎が築かれました。

 

第二次農業革命

一方、第二次農業革命は、18世紀から19世紀の産業革命とともに起こりました。この時期には、農業技術の改善、肥料の使用、畑作りの方法の進化、新しい作物の導入などが行われ、食糧生産の効率が大幅に向上しました。これにより人口の急増を支え、都市化と工業化を進める原動力となりました。

 

この第二次農業革命の中でも特筆すべきは、「囲い込み」の実施です。囲い込みとは、主にイギリスで行われた土地改革の一部で、共有地や荒地を私有地化し、小規模な農場を大規模な農場へ統合する動きを指します。これにより、農地の効率的な利用が可能になり、新たな農業技術の導入が容易になりました。また、農業機械の導入により生産力が増大し、食糧生産量の大幅な増加をもたらしました。

 

しかし、囲い込みによる土地所有の変化は、小規模農民の生活を直接的に影響を与えました。彼らは土地を失い、都市へと流入することとなり、これが都市人口の増加を引き起こし、産業革命を加速する一因となりました。