第一次世界大戦で初めて実践投入された近代兵器としては戦車・潜水艦・飛行機・毒ガスなどが挙げられます。しかしこのうち戦車については砲台はついておらず、足場の悪い道を突破するのに使われた程度で、飛行機も戦闘用ではなくほとんどは偵察用に使われていました。このうち殺傷や破壊を目的とした「兵器」としての本来的な役割を最も果たしたのは潜水艦と毒ガスです。
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撃沈した輸送船を浮上観察するUボート
開発国ドイツがUボートによりイギリス海域の船を片っ端から撃沈していく無限潜水艦作戦を敢行し、イギリスに大打撃を与えています(しかしアメリカ参戦の原因にもなりました)。
Uボートによる無制限潜水艦作戦は、イギリスをはじめとする連合国に対する効果的な海上封鎖戦術として使用されました。これにより、イギリスの海上輸送が大きく阻害され、食糧や物資の不足を招いたのです。
東部戦線における毒ガス攻撃の様子
低コストで殺傷力の高い毒ガスについてもドイツが初めて使用し、敵陣に大損害を与えました(しかし戦後はその非人道性故ジュネーブ議定書で使用禁止になりました)。
毒ガスは、その殺傷力だけでなく、敵兵士の士気に対する心理的影響も甚大でした。戦場における恐怖と混乱は、戦争の激化と非人道性を高める要因となりました。
第一次世界大戦におけるこれらの兵器の使用は、後の国際法や戦争規範に大きな影響を与えました。
毒ガスの使用は、戦後の国際社会において強い非難を受け、ジュネーブ議定書による使用禁止が決定されました。これは戦争における兵器の使用に関する国際的な規範を確立する契機となりました。
潜水艦による無制限潜水艦作戦もまた、国際法上の議論を呼び、戦時における民間船舶の保護に関する規範が強化されました。
上記の兵器に限らず、第一次世界大戦に投入された兵器は総じて、19世紀の産業革命と技術革新を経て、飛躍的に性能を上げており、それが世界規模の戦線拡大と相まって、連合国(協商国)および中央同盟国(同盟国)両勢力で1600万人の死者という未曾有の被害を生み出すことに繋がったのです。
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