クレープの発祥と歴史について

 

クレープは薄いパンケーキで、小麦粉に砂糖や卵を加えた生地を薄く焼いたもの。またその生地に具材を包んだ食べ物の総称です。薄いパンケーキの「ガレット」という料理が起源で、これはフランス北西部のブルターニュ地方が発祥の郷土料理なのです。

 

 

そば粉がクレープの始まり

クレープ発祥の地、ブルターニュというのは、寒冷な気候で日照時間が少なく、土地も痩せているため、小麦の栽培には適しません。しかし12世紀頃、十字軍の遠征によってもたらされたソバは、ブルターニュの気候にも合った為、そば粥そばがきなどが主食として定着しました。

 

クレープが生まれたのは偶然

その後、クレープが生まれたのは、そば粥を焼けた石に誤って落としてしまったことで、偶然、「薄型のパンケーキ」ができたことがきっかけでした。しかしそれがかえって食べやすく、やがてパン代わりに食べられるようになったようです。

 

この薄型のパンケーキは、石やきで作ることから、フランス語の「ガレ(galet)=小石」にちなんで、「ガレット(galette)」と呼ばれるようになりました。

 

その後、そば粉・水・塩で作った生地に、チーズや卵、ハムなどの具材を巻いて食べるガレット、「クレープ・サレ」が誕生し、ブルターニュの名物となりました。

 

小麦粉のクレープが生まれる

今のようなクレープが作られるようになったのは、ブルボン朝の時代、ルイ13世の妻アン女王がブルターニュ地方を訪れた際、そば粉のガレットを気に入り、宮廷料理に取り入れたのがきっかけとされています。

 

以来、生地はそば粉から小麦粉にかわり、粉と水、塩だけだった生地に卵、砂糖が加えられ、今のような形に変化していきました。

 

このように、歴史的にもクレープはフランスに深く根付いたものであるため、毎年2月2日の聖燭祭の日(キャンドルマス)には、クレープを食べ、一年の繁栄を占う慣習があるのです。

 

「クレープ」の由来

 

一説では、焼いた時にできる模様が、布地のちりめん(クレープ)を連想させることから「クレープ」と名づけられたといわれています。