スラヴ神話における「死神」とは?

 

スラヴ神話における「死神」といえば、チェルノボグが相当します。ここでは、スラヴ神話において「黒い神」と呼ばれる死神、チェルノボグの特徴や逸話についてわかりやすく解説しています。

 

 

 

チェルノボグの特徴

チェルノボグはスラヴ神話の死神であり、「黒い神」を意味しています。その名から、夜や闇、破壊と死、冥府の神が連想され、悪神として捉えられることが多いです。

 

善神ベロボーグと対の存在

スラヴ神話においてチェルノボグは、白や光を司る善神ベロボーグと対をなす存在。そしてスラブ神話において「世界」とは、チェルノボグとベロボーグが協力することで、「水底の泥」から創造されたという世界観になっています。しかしその後、ふたりの神は対立し、黒い神は闘争の末に地上に落とされ、邪な精霊に変わったといわれているのです。

 

チェルノボグの逸話

『禿山の一夜』での描かれ方

ロシアの作曲家モデスト・ムソルグスキーによる交響詩『禿山の一夜』には、聖ヨハネ祭前夜に、チェルノボグが禿山に魑魅魍魎を集めて饗宴を行う様子が描かれています。

 

『ファンタジア』での描かれ方

チェルノボグは、ディズニーアニメ『ファンタジア』に収録されている作品のひとつ、ムソルグスキーによる交響詩『禿山の一夜』をベースにした物語のキャラクターとしても登場します。

 

この物語の中でのチェルノボグは、普段は巨大な山の峰ですが、夜が訪れると巨大な翼を持った悪魔として姿を現します。 そしてふもとの街を、手下の悪霊とともに荒らし、夜明けには何事もなかったかのように姿を消す怪物として描かれているのです。