フランス革命の現代への影響とは?

1789年から1799年まで続いたフランス革命は、ヨーロッパ史どころか世界史上でも重要な出来事であり、現代にも大きな影響を残しています。ここでは、フランス革命を経て世界はどのように変わっていったのかを簡潔に解説していきます。

 

 

 

人権の誕生

フランス革命では、革命に大きく影響を及ぼした啓蒙思想家のルソーやモンテスキューの思想をもとに、「人権」の考え方が誕生しました。1789年にフランス議会により採択された「人間と市民の権利の宣言」(通称:人権宣言)がそれです。

 

フランス人権宣言

 

この人権宣言では、「基本的人権の尊重」と「人民主義」が宣言されており、フランス革命後には世界中の国が、この人権宣言を模範に憲法を起草しているのです。フランス革命が近代思想の原点になったと思えば、いかに現代へ与えた影響が大きいか実感できることでしょう。

 

奴隷制度の廃止

フランスの人権宣言採択を機に、当時フランス植民地であった現ハイチ共和国の奴隷が反乱を起こし、これを受けフランスは「奴隷解放宣言」を行いました。これを皮切りに、ヨーロッパ各国で奴隷制撤廃に向けての動きが急速に進んでいきました。

 

アンシャン・レジームの崩壊

中世から続く利権構造、いわゆるアンシャン・レジーム(旧体制)も、フランス革命で崩壊し、ヨーロッパ、そして世界は身分に左右されない平等な社会へと変容していくことになります。今でもフランスでは、革命時に掲げた「自由・平等・友愛」の3つの言葉を、国家理念として大切にしています。

 

革命由来の言葉の誕生

革命が終わり社会が混乱している中、フランスでは政治に関する沢山の言葉が誕生しました。「マジョリティー(多数)」「マイノリティー(少数)」をはじめとする比較的馴染み深い単語から、「ダントニズム(ダントン主義)」などの政治特有の難しい単語まで、様々な用語がフランス革命をきっかけに誕生しています。