アイスキュロスとは何をした人?〜ギリシア悲劇最古の『ペルシア人』の著者〜


アイスキュロスの基本情報

 

生年:前525年
没年:前456年
出身:エレウシス
死没地:ゲラ
称号:三大悲劇詩人
主著:『ペルシア人』『プロメテウス』『アガメムノン』『オレステイア』

 

アイスキュロス(前525年 - 前456年)は古代ギリシアの三大悲劇詩人の一人で、『ペルシア人』『プロメテウス』『アガメムノン』『オレステイア』といった代表作で知られる人物です。このうちの『ペルシア人』は、彼が実際にペルシア戦争で重装兵として参加した経験に基づいて書かれており、現存しているギリシア悲劇作品の中では最古のものとされています。またもともと一人の俳優と合唱隊(コロス)で構成されていた悲劇に、第二の俳優を加え、悲劇の形式に大きな変革をもたらしたことも彼の大きな功績の一つでしょう。

 

 

アイスキュロスの偉業・功績

サラミスの海戦の記録

アイスキュロスは代表作『ペルシア人』にて、ペルシア戦争における最も有名な戦いサラミスの海戦について詳細に描いています。彼は実際にサラミスの海戦に従軍しており、その経験を元に書かれた作品であることから、この作品は史料としての価値も高いです。

 

劇大会で計13回優勝

アイスキュロスは前484年の劇大会で初優勝して以来、計13回もの悲劇競演で優勝を飾っています。これは古代ギリシアの劇作家の中でも屈指の勝率であり、彼の名が三大悲劇詩人の1人として現代まで語り継がれる理由となっています。

 

悲劇の形式を改革

アイスキュロスは1人の役者と合唱隊(コロス)で構成されていた悲劇に、第二の役者を加えた初めての人物で、悲劇の新しい形式を確立した功績でも認められています。

 

アイスキュロスの死因

アイスキュロスの上空を飛ぶ、亀を咥えたヒゲワシの絵画

 

アイスキュロスはシチリア島のゲラで没していますが、その死因については半ば伝説のようなものになっています。何でもヒゲワシにより頭にカメを落とされ死んだという、喜劇なのか悲劇なのかわからないようなお話です。

 

「そんな阿保な」と思ってしまいますが、実際ヒゲワシには一度に飲み込めないカメなどの硬い獲物を、高いところから落とし割り、食べやすい大きさにして食べる習性があるので、一概に嘘とは言えない部分もあります。

 

ただこの伝説の出はアイスキュロスの死から450年後、古代ローマの歴史家ヴァレリウス・マキシムスにより書かれたものなので、十中八九作り話であると考えられます。