ジェノヴァの歴史

ジェノヴァの海岸

 

ジェノヴァ(伊:Genova)は、イタリア北西部に位置する、リグーリア州に属する都市です。リグリア海に面するイタリア最大の貿易港であり、海運業が発達しています。陸路に恵まれない地勢だからこそ歴史上早くから海洋に進出し、かつては中世ヨーロッパ屈指の海洋国としてヴェネツィアと地中海の覇権を争っていました。

 

ジェノヴァの時代変遷

 

古代

前6世紀頃、ギリシア人に建設された植民市に起源を持ち、当初より海港として栄えていました。ローマに征服された後は、ローマと南フランスを繋ぐアウレリア街道が建設されたことで、北部の重要拠点として繁栄を享受しました。

 

中世

西ローマ帝国崩壊後は重要性を失い衰退しますが、10世紀頃から造船業を軸に成長を始め、地中海貿易の最重要拠点として再び栄えるようになります。11世紀にはアフリカ沿岸、サルデーニャ島、13世紀〜14世紀には黒海やエーゲ海にまで支配を広げる海洋帝国に成長したのです。

 

近世

しかし14世紀末以降は、同じ海洋国ヴェネツィアとの抗争に敗れたことで衰退が始まり、15世紀以降のオスマン帝国の東地中海台頭、17世紀以降のスペイン(銀行業最大の取引先)の没落、黒死病の流行などもそれに拍車をかけました。その後はフランス革命戦争中の1796年、ナポレオン率いるフランス軍に占領され、フランス衛星国リグリア共和国に編入されたことで、独立国としてのジェノヴァは滅亡しています。

 

近代

ナポレオン失脚後はウィーン議定書の決定に基づきサルデーニャ王国に併合されることが決定。19世紀後半にはサルデーニャのイタリア統一により成立したイタリア王国の一都市となり、同国の発展とともに海洋貿易の主要港として栄えるようになりました。