テルニの歴史

テルニの公園を流れる河川

 

テルニ(伊:Terni)は、イタリア中部、ウンブリア州南部に位置する都市です。ローマ時代やルネサンス期に建てられた城壁・劇場・聖堂・宮殿などが多く保全される観光名所である他、鉄工業がさかんな「鋼鉄の町」、バレンタイン発祥の「恋人達の町」としても知られます。

 

テルニの時代変遷

 

古代

紀元前7世紀頃、ウンブリ人に建設された集落が都市の起源です。前3世紀以降はローマ支配下のインテラムナ (川の間) として、ローマとリミニ間を繋ぐフラミニア街道上の中継地として重要な役割を果たし、帝政期には劇場・神殿・水路・橋などが建設されるなど都市として充実していきました。

 

中世

西ローマ帝国滅亡後は、ランゴバルド王国神聖ローマ帝国の支配を経て、教皇領による統治が19世紀後半のイタリア統一まで続きました。

 

ローマ時代の3世紀には、“恋人達の守護聖人”として崇敬されたヴァレンティーノ司教がこの地で殉教し、その殉教日である2月14日が司教の名をとり「バレンタインデー」と呼ばれるようになったのです。

 

近代

近代以降は、その豊富な水力資源から産業革命の中心地となり、急速に工業発展が進んでいきました。そのため第二次世界大戦が開始されると“兵器製造の中心地”として真っ先に連合国の攻撃対象になり、100回を超える爆撃で市街は壊滅的な被害を受けることになります。しかし持ち前の工業力に加え、豊富な観光資源を背景にした観光業も後押しし、徐々に復興を遂げていきました。現在に残る街の大部分は戦後再建されたものです。