三段櫂船はトライリームともいい、紀元前5世紀頃からギリシアやフェニキアで使われるようになった軍船です。櫂の漕ぎ手を上下三段に配置して推進力を得ることからこのように呼ばれています。
スピードがあり、小回りが効くのが強味で、ペルシア戦争においては大型のペルシアの艦隊を翻弄しています。さらに船底最前部には「衝角 」と呼ばれる青銅の突起が取り付けられており、船体衝突により敵船に穴をあける戦法により、大打撃を与えているのです。
1876年発刊のスウェーデンの百科事典の挿絵に描かれた三段櫂船
三段櫂船はペルシア戦争における勝利に大きく貢献し、戦後は漕ぎ手として活躍した無産市民が政治発言力を持つようになり、ギリシア民主政の成立に繋がったというのも重要です。
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