ローマ帝国の最大版図は?

ローマ帝国の最大版図

ローマ帝国の最大版図は2世紀のトラヤヌス帝の時代に達した。領域はブリタニアからメソポタミア、北アフリカまで広がった。本ページでは、ローマ帝国の領土拡大や軍事戦略、地中海世界での支配を理解する上で重要なこのテーマについて、より詳しく探っていこうと思う。

ローマ帝国の最大版図は?

ローマ帝国の最大版図


ローマ帝国の領土はトラヤヌス帝(在位:98年~117年)の時代に最大となりました。


ローマは前1世紀には地中海世界全域に加え、ガリアまで支配下に治めていましたが、113年、トラヤヌスのパルティア遠征(第五次パルティア戦争)後は小アジアまで勢力圏に組み込み、最大版図を築き上げたのです。


トラヤヌス帝の時代は五賢帝時代と呼ばれ、ローマがその歴史の中で最も平和と繁栄を享受した200年間「パックス=ロマーナ」の時代とも重なります。


拡大路線の放棄

しかし東方まで大幅に拡大した領土を維持するのは至難であり、ハドリアヌス(在位117年~138年)は国境安定化のために小アジアの属州を放棄し、大きく版図を縮小しています。