アメリカ植民地における労働力不足を補うために始まった奴隷輸送ですが、これでアメリカの労働力不足が解消された一方で、アフリカは労働力不足に陥りました。
また奴隷貿易でアフリカの支配者は富を築きましたが、奴隷を売って儲けることに傾倒した結果、アフリカ経済は自立する力を失ったともいわれます。
このような理由で奴隷貿易はアフリカの近代化を大幅に遅らせる原因になったとして、人道的観点を抜きにしても(無論抜きにしてはいけませんが)、ネガティブな評価は避けられないものといえるでしょう。
またヨーロッパでは奴隷貿易によって得られた富の蓄積で産業革命が起こり、産業革命が進展すると、奴隷の供給地としてよりも、原料供給地や市場としてのアフリカの重要性が高まりました。その結果、ヨーロッパ列強による熾烈な陣取り合戦「アフリカ分割」が行われたのです。
アフリカの国境線
現在のアフリカ諸国の国境を見てみると、民族分布などに関係のない、不自然に真っすぐな線があることに気が付くと思います。これは植民地時代にアフリカに進出したヨーロッパ列強が、勝手に勢力範囲を「線引き」してしまっていた名残なのです。
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