イギリスが参戦した理由は?

イギリスが参戦した理由は?【第二次世界大戦】

 

第二次世界大戦は1939年から1945年まで続いた史上最大規模の国際戦です。主な戦闘がヨーロッパで行われた第一次大戦と異なり、第二次大戦は東アジア、東南アジア、南アジアでも戦線が開かれました。ここではそんな第二次大戦におけるイギリスの動きをみていきます。

 

 

イギリスの参戦理由

1939年9月1日ナチスドイツがポーランドに侵攻したのを受け、イギリスとフランスはドイツに宣戦布告を行いました。ここに第二次世界大戦の火蓋が切られ、イギリス政界では保守党、労働党、二大政党の挙国一致内閣が成立しました。

 

イギリスの苦戦

イギリスはフランス軍、ベルギー軍とともにドイツ軍の西進を阻むべく、大陸に遠征軍を派遣します。しかしドイツ軍は強く、オランダ、ベルギーの国境を突破し、イギリス軍をイギリス海峡沿岸にまで追い詰めてしまいました。イギリス軍は帰還を余儀なくされ、フランス軍は首都パリに追い詰められ降伏に追い込まれます。ヨーロッパはドイツに席巻され、イギリスは孤立した戦いを迫られるようになりました。
ドイツはイギリスへの大規模な空襲を開始し、ロンドンはじめ主要都市は大きな打撃を被りました。さらにアジアでは、イギリス、アメリカに宣戦布告した日本帝国軍にアジアの拠点を次々と陥落させられていました。

 

イギリスの巻き返し

当初参戦に及び腰だったアメリカも日本の奇襲攻撃に火が付けられ参戦します。イギリスは、武器貸与法を成立させたアメリカから、積極的な支援が得られるようになり、ドイツに奪われていたヨーロッパ戦線、アフリカ戦線を次々と奪還していきます。続きイタリア上陸作戦を決行し、イタリアをドイツ戦力から引きはがすことに成功。次いでノルマンディー上陸作戦の成功により西部戦線が復活し、ついに戦況を逆転させることができました。

 

終戦と大英帝国の崩壊

独ソ戦にも敗れ、後がなくなったドイツは無条件降伏を余儀なくされます。アジアでも圧倒的物量を持つアメリカが日本の拠点を駆逐していき、無条件降伏に追い込みました。第一次大戦に続いて戦勝国となることができたイギリスですが、イギリス経済はますます疲弊し、日本に奪われていたアジアの植民地はイギリスの手に戻ったものの、もはやそれを維持するだけの国力は残されておらず、パックス・ブリタニカと称された大英帝国は崩壊していきました。

 

第二次世界大戦は、イギリスにとって壮大な試練の時代でした。孤立無援の状況からの巻き返し、連合国としての勝利への貢献は、イギリスの不屈の精神と国力の強さを示すものであります。しかし、戦争の勝利がもたらしたのは、パックス・ブリタニカの終焉と大英帝国の崩壊でした。戦争はイギリスに深刻な経済的、政治的な変革をもたらし、その後の世界秩序に影響を与え続けています。この時代の出来事は、国際政治や国家間の関係の脆さ、そして平和の大切さを教えてくれる歴史的な教訓となっています。