ブルボン家の現在|末裔はいるの?

ブルボン家はフランス革命で王位から引きずり降ろされ、1815年に王政復古を遂げたものの、1830年に七月革命で再び王位を失い、二度と復権することはありませんでした。

 

しかしブルボン家自体が根絶やしにされたわけでもないので、現在もその子孫は存在し、フランスでも「公爵」を名乗ることが許されています。

 

スペインのブルボン王朝は健在

またスペイン王国では、スペイン・ハプスブルク朝の断絶(1700)で、ブルボン家のフェリペ5世(1683〜1746年)が王位を継承して以来、現在に至るまで王統は存続しています。つまりブルボン家はフランスで王位を失っただけで、いまだ王族としてバリバリ現役といえます。

 

スペインの現王、フェリペ6世はブルボン家の直系の子孫であり、この家系が現代においても王族として重要な役割を果たしていることを示しています。スペイン王国におけるブルボン家の継続は、ヨーロッパの王室の歴史の中で重要な位置を占めており、ヨーロッパの政治と文化において依然として影響力を持っています。

 

 

ブルボン家のスペイン王位継承

現在も続くスペイン・ブルボン朝最初の国王フェリペ5世

 

1700年、スペイン・ハプスブルク朝の断絶を受けて、フランス王ルイ14世の孫であるフェリペ5世がスペイン王位を継承しました。これは、スペイン王家としてのブルボン家の始まりであり、新たな王朝の幕開けを意味しています。フェリペ5世の即位により、スペインはブルボン家の影響下に入り、フランスとの関係が密接になりました。

 

フランス王室との関係強化は、スペインの国際政策に大きな変化をもたらし、ヨーロッパの力の均衡に影響を及ぼしました。また、フェリペ5世の治世は、内政においても新たな方向性を示し、後のスペインの近代化に向けた基盤を築いたといえるでしょう。

 

ブルボン改革と近代化

18世紀、スペインのブルボン家は、国内の経済や行政システムの改革を推進しました。これらの改革は「ブルボン改革」と呼ばれ、中央集権化、軍事の強化、経済の近代化などを目指しました。これらの政策は、スペインの社会や経済を大きく変革し、近代国家への道を開きました。

 

ブルボン改革は、スペインの経済と社会構造を根本的に変えるもので、中央集権化による効率的な行政体制の確立、税制の改革、貿易の自由化により経済は活性化し、農業、製造業、商業の各分野で進展が見られました。これらの改革は、スペインの近代国家としての地位を確立するための重要なステップであったといえるでしょう。

 

文化への影響

ブルボン家は、スペインの文化にも大きな影響を与えました。彼らの支配のもとで、芸術、建築、文学などが栄え、スペインの文化的な景観は一新されました。ブルボン王朝の時代に建設された建築物や、この時代に活躍した芸術家たちは、スペイン文化の重要な部分を形成しています。

 

またブルボン家の時代の文化的影響は、スペイン全体に波及しました。この時期に建設された豪華な宮殿や公共建築物は、スペイン建築の金字塔となっており、絵画、音楽、文学などの分野では、ブルボン家による芸術への援助と保護により、多くの優れた芸術家が登場し、スペイン文化の黄金時代を築いたのです。

 

ブルボン家はスペインの歴史において中心的な役割を果たしてきました。王位継承から改革、文化への影響に至るまで、ブルボン家の存在はスペインの政治、経済、文化の各面で重要な足跡を残しています。スペインにおけるブルボン家の歴史は、この国のアイデンティティ形成において欠かせない要素であり、その影響は今日にも見ることができるのです。