十字軍遠征の回数は、解釈が複数あり、統一見解がないのですが、ルイ9世が主導した第8回十字軍(1270年)を、「最後の遠征」とするのが一般的な見解です。
第一回から第八回までの実施期間
これだけ繰り返した遠征ですが、第一回以外はほぼ失敗に終わっています。これにより教皇と教皇とともに遠征を呼びかけた封建領主は没落し、中世ヨーロッパを支配していた封建制・貴族制は崩壊に向かったのです。
王権が伸長したことで、封建体制に代わり、主権国家体制の構築が始まり、フランスはじめ絶対王政国家が台頭するようになります。
また十字軍遠征をきっかけに、東方への交易路が開拓されたことで、イタリア諸都市が商業的に繁栄し、14世紀以降のルネサンス文化をリードしていくようになるのです。
第1回十字軍のアンティオキアの戦いを描いた13世紀の写本挿絵
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