
ノルウェーの絶景といえば、やっぱりフィヨルドやオーロラを思い浮かべる人が多いですよね。でもその大自然には、何百年も前からたくましく生きる動物たちが息づいているんです。氷と森、海と山に囲まれたこの国では、驚くほど多様な生きものたちが暮らしていて、しかも文化や神話にも深く関わっているからおもしろい。今回はそんなノルウェーの動物たちを、自然・文化・生きものの3つの切り口から紹介していきます。
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北極圏にまたがるノルウェーでは、気候や地形が生きものの暮らしに大きく関わっています。
ノルウェーといえばやっぱりフィヨルド。氷河が削ったこの複雑な地形は、アザラシや海鳥、魚類にとって最高の棲みか。海岸線が入り組んでいる分だけ、海と陸の境界が豊かな生態系を育んでいるんです。
北部はツンドラ地帯、南に行けば針葉樹林が広がり、中央部では山岳地帯がそびえるという変化に富んだ環境。このおかげで、トナカイやホッキョクギツネ、オオヤマネコなど、多様な動物が棲み分けできているんですよ。
北極圏に浮かぶスヴァールバル諸島では、ホッキョクグマやセイウチ、シロイルカなどが生息していて、まさに“氷の王国”。人の手があまり入っていないぶん、野生動物の姿がそのまま観察できるのが魅力なんです。
この国では動物が生活や文化の中で重要な位置を占めてきました。
ノルウェーの神話にはオオカミのフェンリルやワタリガラスのフギンとムニンなど、動物がたくさん登場します。特にオーディンの使いとして知られるワタリガラスは、今でも知恵や戦いの象徴として人気です。
ローズマリングと呼ばれる装飾画や、民芸の木彫りにも、鹿や鳥、魚などがよく描かれています。自然と密接に暮らすノルウェーの人々の感性が、こうした伝統に受け継がれているんですね。
ノルウェーでは、今も狩猟文化が生活の一部。エルク(ヘラジカ)狩りは秋の風物詩で、自然とのバランスを考えながら動物と向き合う文化が根づいています。
では、ノルウェーの自然を代表する動物たちをピックアップして紹介します。
ノルウェーの国鳥ムネジロカワガラス
この小さな鳥は、川辺の石の上でピョコピョコ跳ねている姿がとってもかわいい。水の中に潜って餌をとる珍しい鳥で、清らかな水辺の象徴とされています。ちなみに、ノルウェーのコインにも登場しているんですよ。
ホッキョクグマ
世界最大級の肉食哺乳類にして、北極圏の王者。ノルウェーのスヴァールバル諸島では保護対象になっていて、出会うには許可証とガイドが必要。見られるとしたら、それはもう一生の思い出になるレベルのラッキーなんです。
ヘラジカ
「森の王様」とも呼ばれるヘラジカは、ノルウェー全土に広く生息していて、車で山道を走っていると、ひょっこり姿を現すこともあるんです。巨大なツノと堂々とした体つきはまさに迫力満点。秋にはツノとツノをぶつけ合うオス同士の激しいバトルも見どころですよ。
ホッキョクキツネ
真っ白な冬毛に包まれたホッキョクキツネは、極寒の北に暮らす忍者のような存在。スヴァールバル諸島やフィンマルク地方などでひっそりと生きています。じつは絶滅危惧種で、保護活動も進められているんですよ。小柄だけど、極寒でも生き抜くタフさは圧巻です。
氷と森の国ノルウェーには、そこにしかいない動物たちが息づいています。壮大な自然と人間が共に生きるこの地では、動物たちもまた文化の一部として大切にされているのです。
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