ロシア語は、その音韻体系や文法構造、文字体系といった特徴により、スラヴ語派の中でも際立った存在となっています。そしてその理由は、ロシア語の持つ起源や発展の歴史にあるのです。
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ロシア語の起源は、9世紀から11世紀にかけて形成された「古東スラヴ語」にさかのぼります。この時代、キエフ・ルーシという初期の東スラヴ国家が存在し、古東スラヴ語がその公用語として使われていました。そして、この古東スラヴ語が後のロシア語、ウクライナ語、ベラルーシ語の基礎となったのです、
現在、ロシア語の表記にはキリル文字が使用されています。その背景を簡単に解説すると、9世紀に、東ローマ帝国から来た修道士キリルとメソディウスにより、スラヴ語を記すための文字体系である「グラゴル文字」が導入されました。このグラゴル文字が基となり、後にキリル文字へと発展していったのです。
18世紀から19世紀にかけて、ロシア語は近代的な形へと変貌を遂げました。特にピョートル1世による改革により、文字体系が整理され、西欧化とともに、ロシア語に多くの外来語が導入、語彙が大幅に拡張されたのが大きいでしょう。
ロシア語の起源と歴史を見ることで、その発展と変遷が、どのように現代のロシア語を形成しているのかがわかります。古東スラヴ語の基盤から、キリル文字の導入、そして近代ロシア語の形成という流れは、ロシア語の独特の特徴を理解するための重要な要素です。ロシア語学習において、言語そのものだけでなく、その背後にある文化や歴史を理解することで、より深い理解と学習の進展が期待できることでしょう。
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