ドイツで過激な反ユダヤ政策を掲げるナチスが政権を握ってしまったことが全ての悲劇の始まりでした。1933年1月にヒトラー率いるナチスが政権の座につくと、資産没収、公職追放、商店破壊など、ドイツのユダヤ人は苛烈な迫害さらされました。
さらに1935年ニュルンベルク法により、ユダヤ人の公民権は完全否定され、ドイツやドイツに併合されたオーストリアでユダヤ人は「人として」扱われなくなったのです。これはホロコーストの前段階の完成を意味しました。
ナチスドイツのポーランド侵攻をきっかけに、第二次世界大戦が開始されます。ドイツ軍は序盤で連戦連勝を重ね、41年にはヨーロッパのほぼ全域を支配下におさめ、同時にヨーロッパに住むほとんどのユダヤ人が、ニュルンベルク法の下に置かれることになりました。
そして41年12月に絶滅収容所の導入が開始、42年1月には「最終的解決」により、占領地のユダヤ人を強制収容所に移送し、「しかるべき扱い」に処するという決定がなされます。以来本格的にホロコースト(絶滅政策)が開始され、終戦までに400万人ものユダヤ人が、ガス室や過酷労働、劣悪な環境により、各地の絶滅収容所で命を落としたのです。
ホロコーストの象徴といわれるアウシュビッツ強制収容所。現在は博物館として公開されている。
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