ウクライナのエネルギー事情と政策方針

ウクライナは穀物はじめ食糧資源が豊富な一方で、石油・天然ガスなどエネルギー資源には乏しいです。ウクライナはソ連崩壊後、ソ連時代の分業・資源分配体制が崩壊したことにより、深刻な石油不足に陥りました。以来、ロシアからのエネルギー資源の供給に依存してきたため、同国との関係悪化にともないエネルギー政策を大幅に転換していく必要に迫られています。

 

 

ウクライナのエネルギー会社

ウクライナにおけるエネルギー政策を牽引しているのは、国内最大の石油・ガス会社「ナフトガス・ウクライナ」です。同社はウクライナ政府下の国営企業であり、創業以来天然ガスと石油の採掘と掘削、輸送、精製、供給など、エネルギー供給の根幹を請け負ってきました。

 

ロシアとの関係悪化にともない、いわゆる「ガス紛争」の矢面に立つようになり、2022年にはロシアによるウクライナ侵攻を受け、現金不足から債務不履行に陥いっています。

 

ガス紛争とは
ソ連崩壊後から始まった、ロシアとウクライナ間の天然ガス資源の料金設定をめぐる激しい対立のこと。天然ガスはウクライナを通り、ヨーロッパ諸国に供給されるため、紛争激化はヨーロッパ諸国の深刻なエネルギー不足に直結します。