大航海時代は15世紀から17世紀まで続いた、ヨーロッパ列強諸国による世界進出の時代です。バルトロメウ・ディアスによる喜望峰の発見に始まり、バスコ・ダ・ガマによるインド航路の発見、コロンブスによる新大陸アメリカの発見など、様々な「地理上の発見」が成され、とりわけ西ヨーロッパの国々は貿易や植民地からの搾取により、莫大な富を得ました。
|
|
|
|
何を意義とするかは立場によって変わるので、一概には言えない部分がありますが、全人類にとっての意義といえば、大航海時代の始まりとともに「世界の一体化」が起こったということです。
ヨーロッパ諸国のアジア、アメリカへの進出で世界各地の市場がヨーロッパの交易網に組み込まれ、複数の地域世界が密接に影響し合う「世界史」が開始されました。
そして大航海時代の開幕は中世の終わりと近世の始まりを示す画期にもなっています。封建制から主権国家体制への移行が進み、ヨーロッパの政治的、経済的、社会的な構造が大きく変わった時代です。
大航海時代の開幕を象徴するインド航路の発見により、ヨーロッパは東方のイスラム圏を介さずアジアの香辛料貿易に介入できるようになりました。
とりわけインド航路への航海で有利なポルトガルが莫大な利益をあげ、ヨーロッパの大国として強い存在感を示すようになりました。
ポルトガルはセウタ攻略(1415年)から始まり、インド、東南アジア、そしてブラジルに至るまで広範囲な植民地を獲得しました。これによりポルトガルは、香辛料、宝石、金、銀などの貴重な資源を手に入れ、その富と影響力を拡大しました。
コロンブスが「発見」した新大陸アメリカには豊富な銀山がありました。
アメリカに勢力の基盤を築いたスペインは銀の採掘で莫大な富をあげ、1580年にポルトガルを併合した後、同国が持つアジア勢力圏まで支配下に入れ、「太陽の沈まぬ国」と呼ばれるほどの世界帝国にまで成長しました。
スペインはアメリカ大陸全域に広がる巨大な植民地帝国を築きました。これにはメキシコ、ペルー、フィリピンなどが含まれ、これらの地域からの鉱物資源や農産物がスペイン経済を支えました。
大航海時代になると、日本に渡来したヨーロッパ人により、鉄砲やキリスト教がもたらされ、日本の政治や文化にも重大な変化が起こっています。
そして南蛮貿易の中でヨーロッパの様々な物や考え方にも触れ、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカなど海の向こうに日本以外の世界があることを知ることができたのは、日本にとっての大きな意義といえるでしょう。
日本は鉄砲の導入により戦国時代の戦術に大きな変化が生じました。また、キリスト教の伝来は新たな宗教的・文化的影響をもたらしました。これにより、日本は新しい技術や思想を積極的に取り入れ、自己改革を行う契機となりました。
大航海時代は、ヨーロッパの世界進出とそれに伴う地理上の発見が、人類の歴史における大きな転換点となりました。これにより、世界各地が相互に影響を及ぼし合う「世界史」の幕が開け、近代世界の基盤が築かれました。この時代の影響は、現在に至るまで続いており、世界の経済、政治、文化の形成に大きな役割を果たしています。
|
|
|
|