フランソワ・ブーシェ作『ディアナの水浴』(1742年)
毎晩空で美しく輝く月は、古くから女性の美しさと同一視されてきました。ローマ神話に夜を司る月の女神が複数登場するのも、そういった慣習が反映されています。
現実の月は決まった周期を持ち、その中で満ちる月・満月・欠ける月とゆっくりと姿を変えていきます。そのため月の女神も、純潔な処女・結婚を守る母・知恵が豊富な老女と姿を変えていくのです。
ディアナはダイアナとも読み、ローマ神話における月の女神の代表格です。樹木の神、多産の神を経て、月の神となった経緯があり、新月の銀の弓を持った姿として描かれることが多いです。
ドイツ・ベルリンに置かれたダイアナの銅像
ルナはディアナと同一視され、吸収されたために自分の物語がありません。また、ギリシア神話に登場する「セレーネ―」や「アルテミス」「ヘカテ―」とも同一視されたため、人々から陰鬱な存在として認識されていきました。
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